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ガイドさんの昼ご飯 [雑感]

バリ島を訪れる日本人旅行者にとって、頼みの綱は現地人ガイド。
言葉に不自由がなく、自由旅行に慣れている旅行者は別として、
大半はどこへ行くにもガイド任せで、ガイド次第の旅に終始する。
ガイドの収入源の大半は、レストラン、土産物屋、スパなど、
お客を連れて行くと発生する「紹介料」「キックバック」。
ところが最近では、インターネットなどからの情報で、
「バリ島のコミッション制度」が広く一般に知られ、
旅行者がそれなりの知識を得ていることもあって、
「コミッション目当て」のガイド業もなかなか厳しいらしい。

そんな状況のバリ島で先日、なかなかしたたかなガイドを目撃した。
昼食時、観光客向けではない小綺麗なローカルワルンに、
ガイドを伴って入ってきたのは、日本人旅行者6人組。
ガイドは、いわゆる「友だち感覚云々」を謳い文句に、
日本人旅行者をターゲットにしている、無許可フリーランスガイド。
本来であれば、「ガイドお勧めのレストラン」にでもお客を連れて行き、
「コミッションガッポリ!」と行きたいところだったのだろうが、
どうやら、お客のリクエストでこのワルンに来たらしい。
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きっと気安くお客と同席して、一緒に食事を取るのだろうと思っていたが、
ガイドは流暢な日本語で甲斐甲斐しくお客の注文を聞き、
店の人にあれこれ指図をすると、ニッコリ爽やかに微笑んで、
「ワタシアッチデマッテマス」とお客に告げ、
少し離れたテーブルへ移動した。
しばらくして、お客のテーブルに飲物が運ばれると、
飲まず食わずで待つガイドを気の毒に思ったのか、
お客の一人が日本人ならではの気配りで、コーラをガイドのテーブルへ。
「アリガトゴザイマス」と丁寧に礼を言うガイド。
と、ここまでは、分をわきまえたガイドと優しいお客との、
微笑ましい関係に見えたのだが、驚いたのはその後のこと。

お客が各自一品ずつ、注文した炒飯や焼そば、汁そばなどの、
安価で簡単な料理をを食べ始めると、
お客の頼んだ飲物や料理よりも、はるかに高額で豪華な
フルーツジュース、野菜炒め、魚の姿揚げなどの料理が、
なんと次々ガイドのテーブルに!
もちろん、この料理の勘定はお客持ちなのだが、
知らぬはお客ばかりなり・・・。

「コミッション」が入らないのならば、せめてお客の金で、
豪勢な食事にありつこうということなのだろうが、
果たして、お客が日本人以外ならどうだったのだろう?
やはりガイドは同じ事をしただろうか?
バリ人の笑顔の裏側にある、こうしたしたたかさは、
日本人を頭から見くびり、なめているからではないのか?
リクエストした食事処にガイドを伴う時、
1万ルピア(80円)ほどの小銭をガイドに渡し、
どこかで食事をして来てもらうだけでも十分なはずだが、
それが出来ない日本人の優しさ(?)や情のもろさといった
特有の気質は、果たして長所なのか?
それとも短所なのだろうか?

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